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源氏物語の結婚

最近、源氏物語とのご縁が増えました。
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 「源氏物語と結婚」
  福岡教育大、工藤重矩

この本、ロバート.キャンベル教授の御紹介によると、
「光源氏の紫の上一人に対する愛情と引き換えに、正妻;葵の上始め多くの女性を、憂鬱と病苦、出家、死にまで追いやらねばならなかったのが源氏物語の論理であった。」と言うことでした。
つまり、源氏物語は光源氏と紫の上の純愛物語なんだそうです。

その背景には、「一夫多妻」「通い婚」に非ず、
厳格な一夫一妻なる結婚制度が完成しており、
正妻、嫡子の地位、身分保証の堅固さに比し、
妾、庶子の地位は鴻毛の軽さであったとか、
源氏物語は、正妻の地位争奪物語でもあったと言うことのようです。

本書、概ねそんな感じではありました。

でも、紫の上との愛を貫き、紫の上を勝利者とするため、
源氏周辺の女性を抹消しなければならぬと言う論理は、
少々、理解し難いところでした。

源氏を巡る女性達は、自ら源氏ストーカではありません。
また、正妻の地位を狙った女性もいなかったように思いますがーーー?

全て光の君ご自身が手を出し、
別離にも光源氏の意志は殆ど見えません。

いくら、源氏の意志では無く、
紫だけを持ちあげる紫式部の作りごとだったと言っても、
光の君にしては、あまりに他人事で白々し過ぎると思いませんか?
しかも、結局、紫の上を正妻にしなかったのですからーーー。

確かに紫の上の線は、源氏のコンプレクス桐壺ー藤壺の面影をつなぎ最長でしょう。
そして最後まで残る。
しかしこの線に重なる個性的で、独特の味わいを持つ線は幾つもあります。
葵の上、六条御息所、明石の君、藤壺さえそうでしょう。
そして点在する独特のキャラクター、夕顔、空蝉、末摘む花、他に婆さんもいましたね。
紫式部の狙いは,この女性群像の面白さにあると思うのです。
それに引き換え、光源氏をはじめ、男性諸氏のなんとステレオタイプーーー。

後ろ盾を失った薄倖の美少女が、正妻同様の地位を得、やがて皇母的な身分まで登る、
それでも結構色々悩ましい、
紫式部が描く一つのキャラが紫の上。
そんな風に思います。

結局、エロス因縁絵巻もの。
読みが浅いかナア?
源氏研究のaro、
君はどう思う?

でもこの本、源氏物語を要約して、興味深々ではありました。

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コメント

ご無沙汰してました。パソコンの調子が良くなくて、しばらくコメントできませんでした。すみません((^^))
さて、剣さんのブログを拝見した限りでは、僭越ながら私も先生のお説は深読みな気がしました。
私は、現在なら直木賞とるような(?)エンターテインメント、スペクタクル恋愛小説という印象でおりました。
よい物語はいろんな解釈ができるってことでしょうか~。
偶然、知人からこの本を借りられたので、早速読んでみます!

投稿: aro | 2012年11月 2日 (金曜日) 23時32分

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