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十二単衣を着た悪魔

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「平安の世に帝をも凌駕したキャリアウーマン。
 源氏物語は千年後を予見した現代小説だった」
とか言う新聞広告に釣られましてーーー

その時、何とはなしに、著者は「源氏」の現代訳もある田辺聖子さんだと思い込んでました。
そんな人が「紫式部への果たし状」とは一体ーーー?
と言う訳です。

違ってました。
作者は内館牧子さん。
お二人何となく似てません?

でも、本を開いてド肝を抜かれました。

出来過ぎた弟君(光の君)を持った現代版の桐壺帝第一皇子、
伊東雷君とやらが、59社の就活に落ちまくった日に
平安ならぬ源氏物語そのものにタイムスリップと言うお話です。

筋書きは、
桐壺帝と皇后弘徽殿の女御の子一の宮(後の朱雀帝)派と、
桐壺の更衣の子二の宮(光の君)派の血みどろ(?)の権力闘争の真ん中に、
原典では、ほとんど姿を現わさない弘徽殿の女御に、
冷徹にしてタフ極まる十二単衣を着せーーー
と言ったものでした。

しかし原典同様、血みどろの権力闘争とやらは、
今や見向きもされない、真剣味も中味も無い、民主VS自民闘争ほども描かれず、
結局、源氏物語とは、
当時のおばちゃんやギャルが飛びつく、
エロティック因縁話だったと言うところだったでしょうか?

私も訳本を読んだだけではありますが、
光源氏のお話は、唯エロスと思ってましたからして、
我が意を得たり!でしたが、
何故か明石の巻まで26年間源氏物語で過ごした挙句、
突如22歳の今日に舞い戻った伊東雷君は、
源氏物語の研究者になる為最難関某国立大を受け直すなどと
内館先生は、大真面目なところもあるようでもあり、
御本意は良く判りません。

ともあれ、香り高い平安文学とやらからは、
思い切りの脱線ぶりで、
一気呵成、面白い。

ついでに脱線。
この本、八木秀次先生に是非ご一読いただきたいと思います。
神武のY染色体が、狭い狭い一筋の道を辿って2600余年も続いたなど、
寝言みたいなもんだと想像力が働くカモーーー。
たかが作り話と言えど、
推古帝と穴穂部皇子の史実もありますしーーー。

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